院長挨拶
 
          南房総市立富山国保病院
 病院長 山田悟史
この度、2025年10月1日付けで病院長に就任しました山田悟史と申します。
当院は1948年に無医村の解消を目的に開設されて以来、地域の皆様のご理解・ご支援のもと病院の運営を継続できたことに心より感謝申し上げます。
少子高齢化や人口減少が進む中での持続可能な地域医療体制の構築、老朽化した設備の更新、地域医療人材の確保、物価や人件費の高騰による厳しい経営状況など、当院には多くの課題があります。こうした状況にあっても、住民の皆様が住み慣れた地域で安心して暮らしを続けられるように、地域包括医療・ケアを提供することが公立医療機関としての責務と考えています。そのために、地域の医療機関や介護・保健・福祉との連携をさらに強化し、心温かい親切な医療を心がけつつ、安全で質の高い医療を提供できるように、職員一同研鑽を重ねてまいります。
私は地域医療を志して自治医科大学に入学し、在学中には安房地域の様々な医療機関で地域医療研修を行い、卒業後は富山国保病院と鴨川市立国保病院で医師としての経験を積みました。この地域に育てていただいたことに深く感謝しています。地域医療の人材確保のためには、後進の育成を地域において行うことが重要と考え、今年度より当院でも、初期研修医や医学生の受け入れを開始いたしました。教育には確かな知識と経験の言語化が求められ、それは同時に職員自身の研鑽を促す機会ともなります。教育を軸として「人の集まる医療機関」とすることで、病院の持続的な運営ができるように努めていきたいと考えています。
南房総市の限られた財政の中で、市立病院である当院が可能な限り自立した経営基盤を築くことは急務となるため、経営健全化に向けた経営戦略チームを立ち上げて、救急患者の受け入れを強化することでの病棟稼働率の向上、科学的なエビデンスに基づく健診・検診事業の推進、近隣の訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所と連携を強化して訪問診療の充実を図るなど地域のニーズに応えることでの経営改善に取り組んでいます。
今後とも変わらぬご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
【略歴】
| 2016年3月 | 自治医科大学医学部卒業 | 
|---|---|
| 2016年4月~ | 地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院 | 
| 2018年4月~ | 南房総市立富山国保病院 総合診療科・内科 | 
| 2020年4月~ | 地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院 総合診療内科 | 
| 2022年4月~ | 鴨川市立国保病院 総合診療科・内科 | 
| 2023年4月~ | 鴨川市立国保病院 総合診療科・内科 千葉大学 地域医療教育学講座 非常勤講師 | 
| 2025年4月〜 | 南房総市立富山国保病院 副院長 総合診療科・内科 千葉大学 地域医療教育学講座 特任助教 | 
| 2025年10月〜 | 現職 | 
当院の目標
- 心温かい親切な医療を行い、地域の皆様に愛され信頼される病院となるよう努力いたします。
- 総合的、全人的な医療を心がけ、地域の医療機関や介護・保健・福祉と連携し、地域の皆様を地域で支えあっていく地域包括ケアシステムのチームの一員として努力いたします。
- 安全で質の高い医療が提供できるよう、常に研鑽に努めます。
施設基準
富山国保病院は、厚生労働大臣が定める「施設基準等」を遵守している保険医療機関であり、関東信越厚生局長へ当該基準を届け出ております。
1.看護基準に関する事項
- 【一般病棟入院基本料】
- 一般病棟において、1日に看護を行う看護職員の数は、常時、入院されている方の数が10又はその端数を増すごとに1以上を配置しております。(平成18年4月1日~)
当病棟では1日に11人以上の看護職員が勤務しています。
- ■朝8時30分~夕方17時15分
- 看護職員1人当たりの受け持ちは6人以内
- ■夕方17時15分~翌日朝8時30分
- 看護職員1人当たりの受け持ちは26人以内
- 【地域包括ケア病棟入院料】
- 地域包括ケア対象病床において、1日に看護を行う看護職員の数及び1日に看護補助を行う看護補助者の数は、常時、入院されている方の数が13又はその端数を増すごとに1以上を配置しております。(令和元年5月1日~)
当病棟では1日に7人以上の看護職員が勤務しています。
- ■朝8時30分~夕方17時15分
- 看護職員1人当たりの受け持ちは10人以内
- ■夕方17時15分~翌日朝8時30分
- 看護職員1人当たりの受け持ちは24人以内
2.食事療養に関する事項
- 【入院時食事療養(1)】
- 当病院では、管理栄養士の管理のもとに食事療養が適時(朝食、昼食、夕食(18:00))、かつ適温にて入院されている方へ提供しております。
3. 連携施設
介護保険施設等において療養を行っている患者の病状の急変等に対応しています。
また、協力病院として以下の介護保険施設と連携しております。
■介護老人保健施設 葵の園・南房総
■サテライト型小規模介護老人保健施設 葵の園・岩井海岸
■特別養護老人ホーム 伏姫の郷
■小規模特別養護老人ホーム 夕凪の郷
■特別養護老人ホーム 三芳光陽園
■介護老人保健施設 光栄館
4. その他に関する事項
他に、当病院は下記の基準を届け出ております。
- 急性期一般入院料6
- 地域包括ケア入院医療管理料1(看護職員配置加算)
- 診療録管理体制加算3
- データ提出加算1
- 医療安全対策加算2(医療安全対策地域連携加算2)
- 運動器リハビリテーション料(Ⅱ)
- 脳血管疾患等リハビリテーション(III)
- 撮影に使用する機器:64列以上のマルチスライスCT
- 情報通信機器を用いた診療に係る基準
- 協力対象施設入所者入院加算
- 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
- 入院ベースアップ評価料
病院概要
| 開設年月 | 1948年12月 | 
|---|---|
| 郵便番号 | 299-2204 | 
| 都道府県 | 千葉県 | 
| 住所 | 南房総市平久里中1410-1 | 
| 電話番号 | 0470-58-0301 | 
| FAX番号 | 0470-58-0496 | 
| 病床数 | 一般病床 47床(地域包括ケア病床)・感染病床 4床・病床合計 51床 | 
| 診療科目 | 内科・消化器内科・外科・整形外科・リハビリテーション科 | 
| 医療機能 | 救急告示病院 病院群輪番制病院 | 
| 在宅医療 | 訪問診療 | 
| 保健事業の実施状況 | 人間ドック・健康診査・予防接種・総合相談窓口開設 | 
沿革
- 
                昭和23年12月15日開設、平群農業協同組合、名称は平群診療所。木造瓦2階建、病床数は一般7床、診療科目は内科、外科で開設。
- 
                昭和28年4月増床増築で木造、一般7床、結核21床、伝染7床、計36床に増床、名称も平群国保病院と改称した。
- 
                昭和30年2月平群村と岩井町の合併により富山町となり、国民健康保険事業も町営に移管。名称も富山町国保病院と改める。
- 
                昭和37年~39年昭和37年診療棟、38年給食棟、39年一般病棟を改築し、一般病床も30床に、更に42年、伝染病棟が鋸南地区環境衛生組合の委託になり改築し、19床となり、合計70床となる。
- 
                昭和61年~62年老朽化が激しいため、2ヶ年計画で伝染病棟を除き移転改築、敷地面積4,587㎡、建築面積2,496㎡、鉄筋コンクリート造2階建で、病床は一般35床、結核16床となる。
- 
                平成6年4月療養病床12床、結核病床4床に変更。
- 
                平成11年7月法改正により、結核病床を感染症病床4床に変更。
- 
                平成18年3月20日市町村合併により名称を南房総市立富山国保病院とする。
- 
                平成31年4月1日療養病床12床を一般病床へ転換。一般病床は地域包括ケア病床として利用。

